母との約束

私の母は物を捨てられない人で、買ったものは箱でさえ取って置き更に新しいもの好きなので家電やダイエット機具やオブジェなど様々なものが一軒家の三部屋程に積もり積もっていました。なかな使えなくなった家電や不用品を処分することができませんでした。

小さい頃から荷物が多いなと思ってはいましたが人が出入りする場所は綺麗にされてあって、荷物は開かずの部屋に押し込められる様にあったので特に気にも止めなかったのです。

私が社会人となり、実家に出戻ってまた実家で住み始めた時に隣のアパートが火事で全焼した事がありました。

私の家は一切被害はなかったのですが、火事が起きたアパートと物置となった部屋が近かった為に煙や臭が充満しこのままではいけないと思い片付けをする事を決意したのです。

部屋には何十体もの人形や私が小さな頃に毎月購入していた漫画雑誌、積み重ねられた衣類ケースなどが沢山あって重く片付けていくうちに腰が痛くなって大変でした。

しかも思い出の品が沢山あるせいか中々捨てるに捨てれなく、それでも断捨離を家族一丸となってやりました。

衣類は町にあったリサイクルショップに売りに行き、家電などは古く使い物にならなかったので粗大ゴミに出しました。

リサイクルショップで何百着と売りましたが二千円位にしかならず、粗大ゴミに出すのに何倍も料金がかかったのは衝撃的でした。

漫画雑誌は全て捨てて、一番辛かったのは大量に溜めたレシートや個人情報が分かる手紙などで父がひたらすら燃やしたり切ったりして捨てていました。

ただあんなにも荷物があったのに、綺麗にしまってあったからか汚れもなかったのでゴミは少なかったです。

すっかりと見違える様になった我が家はそれからは部屋を全て解放し、母とは買い物をしたら何かを処分する約束をしました。